PSYCHO-PASS 3 3話感想

PSYCHO-PASS 3 3話感想

 


あらすじ

2話で転落死した土屋博士は都知事候補の小宮カリナのメンタルスタッフだった。土屋博士の事故の真相を調べるべく、小宮カリナの、同じく都知事候補の薬師寺ヘラクレス・康介を捜査する。

 


静かに物語の地層が作られる3話。

最後のシーン以外は落ち着いて見れました。

萌え系男子の路線を開拓しつつあるアラタ君と、ギャップ萌えのイグナトフ君の新たな一面が垣間見えます。

 


Aパート

 


都知事候補の薬師寺にイグナトフ君、廿六木さんが面会。暴力は嫌いな相手をぶちのめす手段であるとの廿六木さんの主張に、健全な精神は健全な肉体に宿る!とビンタをかます薬師寺。ひええ、そんなん現代でやらかしたら即暴行罪の現行犯逮捕じゃないですか。おまけに相手は公安局、警察です。この世界には公務執行妨害の刑罰はないのか。色相至上主義も極まると違和感が残りますね。

廿六木さんの家族は薬師寺陣営と関係があることも示唆されましたね(公式サイトによると廿六木さんは政治に携わる上流階級の出身とありました)

 


場面は変わりアラタ君と入江さん。

飛行機事故などの事故案件にこだわるアラタ君の真意を探る入江さん。アラタ君は自分の勘だと答えるけれど、ホントのところは読めませんね。全く関係ないわけはなさそうです。

 


ファーストインスペクターの梓澤が指令を受けて動き出します。ビフロストと名乗る3人組の部下のでしょうか。関係が伺えませんが、公安局、そして外務省組に関わってきそう。

 


都知事候補カリナさんの演説ライブをPCで見る1係メンバー。これはライブ?と雛河君が疑問を抱きます。

画面の中のカリナさんに向けてメンタルトレースを行うアラタ君。モノクロの世界にうず高く上げられた人々の腕と、苦々しい表情のカリナさんを見たアラタ君は、目を開けたまま気絶してしまいました。

お医者様である志恩さんの元へ1係総出で向かいます。瞳に光を当てても縮瞳反応もないアラタ君は、メンタルトレースの副作用で我を失っているようでした。目を開けたまま意識を失うアラタくんを横抱き(!)にして、呼び戻してくると言い残しイグナトフ君はどこかへ向かいます。

モノクロの世界、一台のクラシックカーのラジオからカリナさんの演説が聞こえる中、虚ろな目をしたアラタ君は立ち尽くします。

イグナトフ君の声が響き、目を覚ましたアラタ君がいたのは……車の後部座席。

ワインレッドの車内でアラタ君は意識を取り戻すのでした。

しかし駐車場に1係の全員が総出、並んで見てるのシュールでしたね。

 


霜月さんと監視官2名。メンタルケアのタブレットを口にしながら、各所からのクレームと講義があったと叱責します。かなりお疲れのご様子。どの世界でも管理職は大変ですね…。

クビを飛ばそうゲームしてるの?はブラックジョークかな。24歳の3人なんですが、若くして出世した霜月さん、気苦労が絶えませんね。

選挙陣営への捜査はテロを防止する目的を続行すると決まりました。

 


カリナさんのメンタルトレースの主観をイグナトフ君に伝えるアラタ君。「あんな心見たことない。高速思考なのにからっぽ」

輸送機事故の犯人もそんな思考をしているのかもしれないと、2人が追い求める真実への糸口を見出すのでした。

 

 

 

Bパート

 


志恩さんの分析室。1係のみんなが勢ぞろい。

薬師寺陣営の秘書が土屋博士の投身したホテルに宿泊していたと、監視カメラが捉えていた情報を共有します。

突破口をリー秘書に見出し、取り調べを行う1係メンバー。

土屋博士こそがカリナさんのブレーンであるとの見立てを訪ねるアラタくん。薬師寺に直接話しを聞くため離席します。

リー秘書は薬師寺候補に入れ込んでおり、東京の都知事に相応しい存在と見込んでいると話をしているとこほでエリアストレスが急上昇。

軍人らしき集団3人にイグナトフくんが殴られ、入江さんも急襲を受けます。やり手の入江さんが一気に押さえ込まれてしまう、格闘技に長けている?薬師寺候補の息のかかった集団でしょうか。

元軍人のイグナトフ君ですら苦戦する軍人部隊は、リー秘書をあっという間に制圧します。

犯罪係数は300超え。廿六木さんがエリミネーターを発砲、1人を執行しますが、2人目以降はアラタくんが制して逮捕を進言します。

廿六木さんを天馬さんと呼ぶアラタ君の距離の詰め方に感嘆するのもつかの間、犯人との追いかけっこのスタート。

備品管理倉庫の物品を倒しながら逃走する犯人を、倒れた物品の上を軽々とジャンプして追いかけるアラタ君…。運動神経良すぎィ!

場面は変わってイグナトフ君と軍人さんのバトル。息を荒げながらもドミネーターをむけずに逮捕すると制圧します。つよいなぁイグナトフ君。

廿六木さんがアラタ君に対し、ドミネーターは執行しろと言っていたのになぜ止めたと訪ねます。それを決めるのは人間であるべきとアラタ君。ドミネーターに引き金があるのはそのためだと答えます。たしかにそうですよね。

これは、1話で暴動を収めるために即座にドミネーターを向けていた廿六木さんには重い言葉ですね。

 


リー秘書は亡くなってしまった模様。

この事実をチキンラーメンを食べながらファーストインスペクターの梓澤が驚いていました。

彼の仕業でないとすると、誰が。

 

 

 

Cパート

 


ビフロストの会合シーン。

リー秘書を殺めた集団は誰の差し金なのでしょう。

ビフロストはシビュラに自分達の存在を示すことを良く思っていないようですね。

ラウンドロビンという新しいワードが出たところで、静くんと呼ばれる人物が今回の件を処理することが決まったようでした。

 


公安局。ネット上では薬師寺のデメリットをまとめた悪質な動画が拡散されている模様。

犯人はカリナ陣営と目されているが審議は不明。

薬師寺は移民政策を推進しているようで、廿六木さん曰く、遺伝子さえ優秀なら人種は関係ない。バックの企業連合は移民を低賃金で雇用する事しか頭にない、と。政治家一族の出身らしい考察を口にしています。

ネットの悪質動画拡散と、秘書の殺害により都知事戦はカリナ陣営がリード。

アラタくんのテロ防止策は的を得ていました。

しかしリー秘書を殺害した集団は、街灯スキャナーに引っかかることなくホテルに侵入し、1人は逃走しています。これは何か裏がありそう。

地下の区画であればスキャナーを回避できると入江さんの意見。該当する場所、茗荷谷は昔、入江さんがナワバリにしていた領域でした。

 


茗荷谷を捜査。

シビュラシステムの監視下で対人格闘を上達させるのは並のことではないが、できてしまう場所がある。その場所が通信障害の発生する廃棄区画、茗荷谷の格闘場でした。

人間対人間の格闘場の主が犯人っぽいと星を定め、案内した入江さんに頼りにしていると信頼を傾けるアラタくん。照れ顔を見せる入江さんかわいい。メンタルトレースはメンタリストの最上位とのことでしたが、アラタ君ほどの人ならば言葉がけひとつで人身掌握、心も把握されそうで末恐ろしいです。

話を聞くだけ、とのアラタくんに、ちょっと嬉しそうな入江さんは俺が話をつけますよと申し出ます。入江さん、アラタくんのことを信用し始めたみたいでした。最初の剣呑なムードとはえらい違いです。ちょっとした信頼を寄せてもらえるって、うれしいこと。関係性が変化したシーンでした。話をつけると申し出る入江さんの動き、作画、お芝居もとても良かったです。

今後大事なシーンになってくるかもしれませんね。

 

 

 

Dパート

 


格闘場の主、榎宮に任意同行を求める。

先頭を切る入江さんは従業員とは顔見知りのよう。

榎宮と顔を合わせ、任意同行を請求します。

先日のホテル襲撃犯の写真を見せて話を聞くも、記憶にないとのこと。

任意同行は叶いませんでした。

 


屋台でラーメンを食べる4人。

アラタくん美味しそうに食べるなぁ…じゅるり。

シビュラが廃棄区間を潰すのは容易だが、復興に金のコストカットと、一般市民の心の余裕のためにそのままにされている、と。

廃棄区画自体がメンタルケアの一部。

シビュラの目が届かない場所は生活しやすそうとも感じますが、ゴロツキも多く、治安の良くない街なのかもしれませんが、自由はありそうです。

パッケージングされた犯罪が集まり、予想も立てやすいという…。闇がありますね。

 


榎宮はアラタくんからすると共犯ではあるものの、主犯ではなさそうと。

該当スキャナーを回避して市街地に入った方法

榎宮のメリット

この2つがわからない限り逮捕はできない。

 


ファーストインスペクターの梓澤と榎宮の会話によると、襲撃犯を差し向けたのは榎宮であるようでした。

梓澤と榎宮は繋がりがあるのですね。

 

 

 

Eパート

 


病院。イグナトフ君が妻の舞子さんの通院に連き添っている。

舞子さんは義眼なのですね。出勤前に病院に着きそうのは、イグナトフ君が妻さんを労わる気持ちが伝わりますね。

お名前からして、イグナトフ君も舞子さんも入国者のようですね。

病院で待ち時間に激昂した住民に、移民にこの国は渡さないと言われてしまいました。

移民を受け入れる事がハードルの高い問題なのは、イギリスのEU離脱問題からも伺えます。

シビュラが移民を受け入れた裏事情が今後明らかになりそうです。

 


公安局に出勤したイグナトフ君。

丁度グリーフィングが始まるところでした。

問題児組の廿六木さんと入江さんでしたが、入江さんは自分から提案をするなど捜査に協力的な姿勢を見せます。

仲良さげに廃棄区画の捜査と同行監視官が決まるくらい打ち解けているのですね。

襲撃した方、廃棄区画の榎宮の捜査が決まれば、襲撃された方、薬師寺にはイグナトフ君と廿六木さんが向かうことになりますが、廿六木さんはこれを拒みます。たしかに家族がいますしね…。家族だからこそわからないこともあると呟く廿六木さんに、イグナトフ君は命令に従えと強く怒鳴ります。声弱く従う廿六木さん。廿六木さんはやんちゃですけれど、根っこから悪に染まっているわけではないのですね。むしろ、染まっていないからこそ執行官の適性が降りているのかもしれません。

 


再び廃棄区画。入江さんは顔が売れているようです。住人に信頼される入江さんに、ここの人たちを守るために執行官になったんですよねと問いかけるアラタくん。入江さんの大切なものに共感しながら安心感を与え、信用を得ていく。うーん、カウンセラーさんっぽいなぁアラタくんは。信用を得るのって、やはり共感と肯定からはじまるのですよね。学ばされます。

 


薬師寺の事務所のイグナトフ犯。秘書を亡くして号泣する薬師寺への聴き込みは断られてしまいました。

廿六木さんは実の父親や弟より、潜在犯とは住む世界が違う、一族の名を辱めるななどと冷たい言葉を投げつけられます。

弟より劣等遺伝子を受け継いだお前は兄ではないと言われるなんて、酷い差別です。これはかわいそうだ…。

なんて思っていたら、予備動作なしにイグナトフ君の右ストレートが廿六木弟に炸裂しました。ちょ、ええんか!殴ったりして!あかんやろ!廿六木さんもびっくり。何か気になるワードがあったんだろうか……劣等遺伝子、とか…?

イグナトフ君は局長命令がおりるまで職務停止、監視官適性再診断の指示が下ってしまいました。停職処分です。

イグナトフ君曰く、廿六木弟の発言は、犯罪係数には血縁関係とサイコパスの因果関係はなく、シビュラ的ではなかった。とのことだけど、本当にそれだけで殴ったりするでしょうか。イグナトフ君ご自身が、移民だからといわれのない差別を受けてきたからこそ、何も悪くない廿六木さんが一方的な誹りを受けているのを我慢できなかったのかもしれません。

廿六木さんを思ったからこそ手が出てしまった。監視官のやることじゃないと告げた廿六木さんも、余計なことをしてごめんと言えるイグナトフ君も、相手の立場を思う発言をしていますね。こういうの、信用に値します。イグナトフ君はシビュラに操られて決めているのではない、心情と道徳心で行動を決定しているキャラクターなのだと感じられます。

病院では殴らなかったけれど、他人の事は我慢がきかないなんて、イグナトフ君は他人を心情を大切にするタイプなのかもしれません。見た目はクールだけど、中身はあったかい、みたいな。もし妻さんが罵られていても、迷いなく手を出していたかもしれませんね。

 

 

 

執行官4人がビリヤード台とバーカウンターの部屋で会話。

事故にこだわるなら、前任監視官の事故について調べてくれるかもと雛河くんがつぶやきます。霜月課長が調査を打ち切った事故、今後明らかになるでしょうか。朱ちゃんの拘留とも関係があるかもしれません。

1話の時点で廿六木さんが雛河くんに、監視官2人のデータを探すように求めていましたが、その結果が表示されます。

アラタ君、臨床心理士資格保有者なんですね、

他にもめちゃくちゃ順調に心理士系の資格を取得して…刑事になったのが謎なくらいです。

配属時の推薦者が朱ちゃんと判明しましたが、監視官って推薦が必要だったんですね。もしくはシビュラの判定が降りない場合は推薦が必要とか?しかし朱ちゃん、人殺しの監視官とか呼ばれちゃってましたね…即座に否定する雛河君が救いです。

アラタ君の経歴もなかなかにヘビーですね。

お母さんは重病で安楽死、お父さんは自殺、

父親の死の真相は機密レベルと、いよいよ謎が深まります。

イグナトフ君は元軍人、日本に帰化した純日本人と判明。ここまでは状況的に判明している情報ですね。母国で軍事訓練を受けていたとありますが、アラタ君とはどこで知り合ったのでしょうか。2人が調べている例の事件が、赤い糸になっているのか。大学を休学していた時期がありますが、ここに何か秘密があるのかもしれません。

お兄さんが2年前に亡くなっている。

推薦者は霜月監視官。2人とも朱ちゃんじゃないところに、朱ちゃんと霜月さんの共同の意図を感じるのですが…。

 


プロフィールによると、アラタ君のお父さんがイグナトフ君のお兄さんを殺害して自殺したと記載されていますが、これは事実でしょうか。

アラタ君とイグナトフ君の関係性は加害者家族と被害者家族のものでは到底ないでしょう。

 


夜のビル屋上で缶ビールを煽る廿六木さんが思い出すのは、苦い過去。

遺伝的に完璧なサイコパスをもって生まれたはずと言い争う家族。

母親は潜在犯になり、自殺していた過去を持っていたのでした。

 


場面は変わり、イグナトフ邸で食卓を囲むアラタ君とイグナトフ君、そして舞子さん。

アラタくんのマイちゃん呼びが親近感にあふれていてとってもキュートですね!お食事はロシア料理かな?とても美味しそう!

舞子さんはイグナトフ君と昔からのお付き合いなのかな。お若くして結婚なさっていますし、ひょっとしたらアラタ君よりも過ごした時間は長いのかもしれません。

怒られて、素直に反省するイグナトフ君かわいい。

合成料理よりも美味しいし、故郷の味を忘れたくないとの思いの手料理。いいですね。

 


アラタ君とイグナトフ君のトレーニング。

舞子さんもご家族を亡くされていたんですね。

とするとイグナトフ君との結婚は、互いに家族を求めての自然な事だったのかもしれません。

失明しているのも事故と関係がありそう。

イグナトフ君の色相と監視官適性は問題がなかった様子。

停職中なのに自分がアラタ君をバックアップすると言っちゃうイグナトフ君は、クールで冷静に見えて実はとても気持ちが先行しちゃうタイプなのかもしれません。

 


PSYCHO-PASSシリーズは1期の朱ちゃんが食べていたブロック飯や、2期の雛河くんが白ご飯に錠剤を乗せて食べていた通称サプリ飯の印象が強く、どちらかというと飯テロアニメの印象は薄かったのですが、3話だけでチキンラーメン、屋台のラーメン、ロシア料理と美味うな飯テロに何度も遭遇しています。

世界観として無駄を排除した食事を摂るキャラが多いのかなと思っていましたが、そうでもないのかな。朱ちゃんや雛河くんが効率重視の食事だったのかもしれませんが。

そういえば鎖国状態の日本の食糧はハイパーオーツに依存していたんでしたっけ。鎖国が解除され、物資の輸入が可能になったからこその食事の多様化が描かれているのだとすれば、辻褄が合いますね。

移民の受け入れは鎖国の解消、そして文化の変革を意味します。

こういった描写からも伺えるのは楽しみですね。

 

 

 

Fパート

 


イグナトフ君の穴埋め人員が霜月さんより紹介されます。

捜査コンサルタント契約を結んでいるフリージャーナリストの、弥生さん!!

え!?フリージャーナリストって、潜在犯なんじゃないですか大丈夫ですか?

弥生さんよ、と紹介する霜月さんの声がちょっととろけていて笑っちゃいました。はにゃーん!してるやん、かわいいですね。

髪下ろした弥生さん、カッコよくて品があって変わっていらっしゃいませんね。

次回より登場という事で…犯罪係数の件も気になります。

 

 

 

 


総評

 


旧キャラが鳴りを潜め、新キャラの人物像が深掘りされた3話でしたね。

落ち着いて視聴することができ、キャラクターの過去などの情報を得て物語に深みがもたらされました。

最後の弥生さんには驚きましたが…!

弥生さんと志恩さんは未だに恋人なのかな、霜月さんとの三角関係はどうなってるのかも気になりますね。